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橋本努『帝国の条件 自由を育む秩序の原理

(弘文堂2007.4.)

 

目次

 

 

はじめに

 

1章 9・11事件以降の四つのイデオロギー  017

0 はじめに

1 テロ事件に対する二つの過激で根本的な反応

1-1第一のイデオロギー:ブッシュ政権

1-2 第二のイデオロギー:アメリカ左翼

2 テロ事件に対する二つの妥当な反応

2-1 第三のイデオロギー:(旧)民主党系

2-2 第四のイデオロギー:ラディカルな自由主義

 2-2a 移民の受け入れ 2-2b 軍備縮小

3 不安の問題

 

2章 帝国の動態(1):帝国とはなにか   045

0 はじめに

1 「ヘゲモニー」と「帝国」の概念

  1-1 「ヘゲモニー」の概念 1-2 「帝国」の概念

2 テロリズムと戦争

  2-1 テロリズムの罠による世界変容 2-2 国際法の問題

3 ヘゲモニーを掘り崩す帝国

3-1 ヘゲモニーの変容 3-2 帝国としてのアメリカ

 

3章 帝国の動態(2):戦争機械の生成   073

0 はじめに

1 アルカイダ組織論

2 樹木を備えたリゾーム

3 戦争機械というテロリズム

4 チェスから囲碁へ

5 最悪のポスト・モダニズム

 

4章 帝国の動態(3):資本の新たな論理   099

0 はじめに

1 帝国主義と国民国家から帝国へ

2 帝国の両義性

3 反帝国運動

4 資本の論理を加速する

 

5章 帝国の思想状況(1):ネオリベラリズム論   116

0 はじめに

1 ネオリベラリズム批判の地平

1-1 歴史的地平 1-2 思考法の地平

2 ネオリベラリズムという概念

  2-1 定義をめぐる問題 2-2 現状はネオリベラリズムの体制か

2-3 ネオリベラリズム概念の形式と実在 2-4 定義の明確化

3 諸批判を包摂するネオリベラリズム

  3-1 第三の道の包摂 3-2 福祉多元主義の包摂 3-3 新重商主義の包摂

3-4 開発主義批判の包摂 3-5 教育改革批判の包摂

4 ネオリベラリズムの補完、超出、ダミー

  4-1 「世界社会フォーラム」の思想 4-2 補完を超える自生化主義

  4-3 ネオリベラリズムのダミー

5 神義論の不可能性

  5-1 幸福と不幸の神義論:二つの不可能性 5-2 国民国家の神義論を超えて

  5-3 「幸福の神義」と「帝国の構想」

 

6章 帝国の思想状況(2):新保守主義(ネオコン)論   209

0 はじめに

1 新保守主義の特徴

1-1 第一世代と第二世代 1-2 俗流理解を排す

1-3 新保守主義の現代的特徴

2 国内政策をめぐる問題

2-1 ポルノグラフィー

2-2 福祉

     2-2a 新しいパターナリズム 2-2b その負の遺産

     2-2c 思いやりのある保守主義

3 ガートルード・ヒンメルファーブ論

4 国際政治をめぐる問題

  4-1 新保守主義の外交理念 4-2 粉飾戦争

5 レオ・シュトラウス論

  5-1 シュトラウスの影響 5-2 アリストテレスからルクレティウスへ

  5-3 マキャベッリ 5-4 ビジョンなき卓越への意志

  5-5 社会科学批判 5-6 エルサレムとメッカはアテナイで出会う

6 超保守主義へ

 

7章 〈帝国〉の思想的基礎(1):秩序論   317

0 はじめに

1 ウェーバーの「支配の正当性」論の検討

1-1 「支配」概念の三つの特徴

1-2 「正当性」の検討

2 根源的民主主義論の拡張

2-1 支配なきヘゲモニー闘争という理想

2-2 超越的普遍性なき秩序

3 〈帝国〉の超保守主義

3-1 対抗理念としての保守主義と普遍主義

3-2 保守主義から超保守主義へ

 

8章 〈帝国〉の思想的基礎(2):主体論   355

0 はじめに

1 潜在能力の主体性

2 新たな主体のモデル

  2-1 シンボリック・アナリスト 2-2 ボボ

3 全能人間の創造

4 自生化主義に向けて

5 自生化主義の権力論的基礎

  5-1 政治権力の正当性

  5-2 転換的権力

 

9章 〈帝国〉の政策(1):トービン税と世界貨幣の育成   393

0 はじめに

1 トービン税を支持する理由

2 トービン税の具体案と徴税機関

2-1 スパーンの二重構造課税案 2-2 徴税機関と財源の再配分

3 トービン税批判への反論

3-1 タックス・ヘイブン問題

3-2バリュー・アット・リスク分析

3-3 徴税による市場の不安定化と非効率化 

3-4 金融派生商品への移行

3-5 政治的困難

4 デビッドソンの国際決済同盟案

5 世界貨幣を展望する自生化主義

5-1 トービン税構想の第四段階

5-2 世界民主主義の基礎としての世界貨幣

5-3 市場に埋めこまれた抽象的慣習

 

10章 〈帝国〉の政策(2):グローバルな正義:自生化主義の弁償術   433

0 はじめに

1 グローバル・インプット論

1-1 ロールズ「正義論」からの出発

1-2 新たなモデルの提案

1-3 起こりうる帰結

2 保護貿易主義と自由貿易主義

2-1 保護貿易主義の負い目

2-2 その弁償論

2-3 自由貿易主義の負い目

2-4 その弁償論

3 グローバルな配分的正義に向けて

3-1 グローバルな配分的正義の特質

3-2 自生化主義の配分構想

 

あとがき   477

文献

索引