はじめに
第1章 9・11事件以降の四つのイデオロギー 017
0 はじめに
1 テロ事件に対する二つの過激で根本的な反応
1-1第一のイデオロギー:ブッシュ政権
1-2 第二のイデオロギー:アメリカ左翼
2 テロ事件に対する二つの妥当な反応
2-1 第三のイデオロギー:(旧)民主党系
2-2 第四のイデオロギー:ラディカルな自由主義
2-2a 移民の受け入れ 2-2b 軍備縮小
3 不安の問題
第2章 帝国の動態(1):帝国とはなにか 045
0 はじめに
1 「ヘゲモニー」と「帝国」の概念
1-1 「ヘゲモニー」の概念 1-2
「帝国」の概念
2 テロリズムと戦争
2-1 テロリズムの罠による世界変容 2-2
国際法の問題
3 ヘゲモニーを掘り崩す帝国
3-1 ヘゲモニーの変容 3-2 帝国としてのアメリカ
第3章 帝国の動態(2):戦争機械の生成 073
0 はじめに
1 アルカイダ組織論
2 樹木を備えたリゾーム
3 戦争機械というテロリズム
4 チェスから囲碁へ
5 最悪のポスト・モダニズム
第4章 帝国の動態(3):資本の新たな論理 099
0 はじめに
1 帝国主義と国民国家から帝国へ
2 帝国の両義性
3 反帝国運動
4 資本の論理を加速する
第5章 帝国の思想状況(1):ネオリベラリズム論 116
0 はじめに
1 ネオリベラリズム批判の地平
1-1 歴史的地平 1-2 思考法の地平
2 ネオリベラリズムという概念
2-1 定義をめぐる問題 2-2 現状はネオリベラリズムの体制か
2-3 ネオリベラリズム概念の形式と実在 2-4 定義の明確化
3 諸批判を包摂するネオリベラリズム
3-1 第三の道の包摂 3-2 福祉多元主義の包摂 3-3 新重商主義の包摂
3-4 開発主義批判の包摂 3-5 教育改革批判の包摂
4 ネオリベラリズムの補完、超出、ダミー
4-1 「世界社会フォーラム」の思想 4-2 補完を超える自生化主義
4-3 ネオリベラリズムのダミー
5 神義論の不可能性
5-1 幸福と不幸の神義論:二つの不可能性 5-2 国民国家の神義論を超えて
5-3 「幸福の神義」と「帝国の構想」
第6章 帝国の思想状況(2):新保守主義(ネオコン)論 209
0 はじめに
1 新保守主義の特徴
1-1 第一世代と第二世代 1-2 俗流理解を排す
1-3 新保守主義の現代的特徴
2 国内政策をめぐる問題
2-1 ポルノグラフィー
2-2 福祉
2-2a 新しいパターナリズム 2-2b その負の遺産
2-2c 思いやりのある保守主義
3 ガートルード・ヒンメルファーブ論
4 国際政治をめぐる問題
4-1 新保守主義の外交理念 4-2 粉飾戦争
5 レオ・シュトラウス論
5-1 シュトラウスの影響 5-2 アリストテレスからルクレティウスへ
5-3 マキャベッリ 5-4 ビジョンなき卓越への意志
5-5 社会科学批判 5-6 エルサレムとメッカはアテナイで出会う
6 超保守主義へ
第7章 〈帝国〉の思想的基礎(1):秩序論 317
0 はじめに
1 ウェーバーの「支配の正当性」論の検討
1-1 「支配」概念の三つの特徴
1-2 「正当性」の検討
2 根源的民主主義論の拡張
2-1 支配なきヘゲモニー闘争という理想
2-2 超越的普遍性なき秩序
3 〈帝国〉の超保守主義
3-1 対抗理念としての保守主義と普遍主義
3-2 保守主義から超保守主義へ
第8章 〈帝国〉の思想的基礎(2):主体論 355
0 はじめに
1 潜在能力の主体性
2 新たな主体のモデル
2-1 シンボリック・アナリスト 2-2 ボボ
3 全能人間の創造
4 自生化主義に向けて
5 自生化主義の権力論的基礎
5-1 政治権力の正当性
5-2 転換的権力
第9章 〈帝国〉の政策(1):トービン税と世界貨幣の育成 393
0 はじめに
1 トービン税を支持する理由
2 トービン税の具体案と徴税機関
2-1 スパーンの二重構造課税案 2-2 徴税機関と財源の再配分
3 トービン税批判への反論
3-1 タックス・ヘイブン問題
3-2バリュー・アット・リスク分析
3-3 徴税による市場の不安定化と非効率化
3-4 金融派生商品への移行
3-5 政治的困難
4 デビッドソンの国際決済同盟案
5 世界貨幣を展望する自生化主義
5-1 トービン税構想の第四段階
5-2 世界民主主義の基礎としての世界貨幣
5-3 市場に埋めこまれた抽象的慣習
第10章 〈帝国〉の政策(2):グローバルな正義:自生化主義の弁償術 433
0 はじめに
1 グローバル・インプット論
1-1 ロールズ「正義論」からの出発
1-2 新たなモデルの提案
1-3 起こりうる帰結
2 保護貿易主義と自由貿易主義
2-1 保護貿易主義の負い目
2-2 その弁償論
2-3 自由貿易主義の負い目
2-4 その弁償論
3 グローバルな配分的正義に向けて
3-1 グローバルな配分的正義の特質
3-2 自生化主義の配分構想
あとがき 477
文献
索引